
“旅はENCOUNTERS—東海道53次篇”
第11の宿 三島宿エリア
(2025 07-2026 05に全53宿場訪問/三島エリアは2025 1106 一部それ以前含む)

あらっ 目があっちゃいましたね。かわいい。気持ちよく池に浮かんでいます。モミジの木陰。

水際で見つけたつる草の白い花。仙人草。
クレマチスと同じ仲間。秋を感じるお花で、日本の野山で昔から咲いてきたのに歌や小説などにはあまり登場してこない。花が終わると長ーい仙人の白い髭(ヒゲ)みたいな綿毛が伸びるのよね。ちょっと存在感があって好きなのだ。

鳩(ハト)も毛づくろいしてのんびり。
ここは菰池(こもいけ)。宿場に近い。親友に教えていただき訪れた。
幼稚園も近くにあって住宅街の公園の中だけど、江戸時代、それ以前から、もっと自然あふれるところで、三島の飲み水の泉、また、農業用水の源として大事な湧水池だったのだ。
1万年前の富士山噴火からの溶岩流(三島溶岩流)の末端がこの辺り。ちょうど富士山の伏流水が湧き出ている。桜川の源流の一つ。
菰(コモ)というのはマコモという水辺の植物のこと。このあたりは湿地帯で沢山育っていたらしい。
東海道五十三次の三島宿は箱根宿から下りてきたところ。芦ノ湖から南西方向に25kmほど。北西方向の富士山頂までは約50km。駿河湾までは沼津をはさんで約8km。海抜は約25m。東海道線と東海道新幹線の三島駅界隈。
桜川伝いに4分ほど歩いてくると、白滝公園。

ここからもこんこんと水が湧き、桜川に流れゆく・・


名前の通りの白滝。江戸時代にはお寺(白滝寺)があって観音信仰の場でもあったそう。水の音が気持ちいい。
松尾芭蕉は三島の水の歌を詠んでいる。
「あじさいや 三島は水の 底辺り」
あじさいも見に来なきゃね。
気の向くままに桜川の支流(御殿川)沿いに歩いてゆくと、鎌倉古道にぶつかった。
少し奥に山門が見えていい雰囲気だなあと思い、つい、そちらに向かったら圓明寺(えんみょうじ)とあった。

この山門、なんと、江戸時代 三島宿に二つあった本陣(大名や幕府役人や公家など身分の高い旅人が泊まる宿)の一つ、樋口本陣の表門が移築されたものとのこと。 そしてこのお寺の起こりは古く、伝承では1344年足利尊氏の叔父の日静上人が法華堂を建てたことが始まりだそう。
で、気になるのはこのワンちゃん! なんだろう?
門をくぐると・・

「孝行犬」の像と、珍しい犬のお墓が・・・
江戸時代末期、このお寺の本堂床下に6匹の犬が住みついた。朝夕、上人の読経を聞いて仲良く、人々に大変可愛がられて暮らしていた。母犬の「タマ」、子犬の「トク」、「ツル」、「マツ」、「サト」、「フジ」。
1860年の冬、「フジ」が亡くなる。母犬「タマ」 は悲嘆のあまり病気になってしまった。「ツル」と「サト」は終日母犬に寄り添い看病、「トク」と「マツ」は町内を走り回り、人々から食べ物をもらい自らは食べずに一目散に本堂下の母犬に運んだ。床下にはやせ衰えた「タマ」が臥し、母をかばうように仔犬達が寄り添っていた。必死の子犬たちの看病もむなしく「タマ」はなくなり、母を追うかのように子犬たちも次々に亡くなった。
上人は六匹のために墓石を建立。
この話は旅人の間で広まり「三島の孝行犬」として知られるようになった・・

この話にウルっとしながらお詣りをし、門をそっと出た。
そして街道沿いに三島大社へ・・・
江戸の旅人たちにとって、箱根を超えたらまず三嶋大明神へという大きな存在だったのだ。

水をたっぷり感じる境内。

三島大社は源頼朝が源氏再興を祈願した伊豆国一宮の神社。
そして、政子は伊豆の平側につながる豪族の娘だったのだが夜中に頼朝のもとに逃げ、駆け落ちに近い恋をみのらせた。二人はこの大社を参詣し夫婦の結びつきを誓い、また、源氏勝利を祈ったとされている。
恋の成就、逆転勝利を願い、やっぱり人気の神社ですよね。

境内は広々とした感じで気持ちいい風が抜けてゆく。



私もこれからの五十三次のお詣りを改めてしていこう・・・

鳥たちのさえずりに、いろんな人たちの声がまざって聴こえてくる。

本殿左脇に湧き水が・・ 沢蟹が動く影が見えた。御神水(ごしんすい)をいただけるところの近くにみつけたかわいい水色の狛犬。

そうそう、菊咲く頃は七五三。

石段、頑張って上ろ―。
子供のころの元気を思い出した。
さ、行こう!
三島といえば駅前のこの楽寿園(三島市立公園)。ちょうど、幸運にも菊の満開の時期。一面に咲きそろうように育てるのは大変だと思うけど、更に、菊で有名どころを創ってしまうのがすごい。

奥には京都の「平安神宮」。菊がゴールドに一面に咲いている。


親子連れや、先生引率の野外授業の小学生たち。シニアグループや、一人散策の人達までいろんな人たちが行きかう賑やかな公園。
楽寿園は東京ドーム1.6個分、小石川後楽園とほぼ同じくらいの大きさなんだけど、びっくりするものたちが・・・

こちらは蒸気機関車(SL)のC58 二俣線がディーゼル化されるタイミングの1971年3月まで運転されていた。その後同年5月に楽寿園へ。以降、動かせないけど綺麗に整備されて屋根の下で保存されている。あ、子供たちの歓声・・・

運転席にも乗り込むことができるんだ。運転手さんみたいに「出発進行!」

蒸気機関車の後ろ。ここから先端を見ると結構向こうの方。大きいよね。
子供達はこの大きな蒸気機関車、実際に走っている様子を見たことがないけど、リアルのものを目の前にすると、昔をより精度高く描くことができる。

展示してある車輪。
大きいわ。これ。
表面ツルツルよね。
そして、ちょっと歩くといきなり自然が・・・

えーっ という景色・・・
これ、苔蒸しているけど、一万年前の富士山噴火の溶岩流の先端、三島溶岩の一部。ドロドロが40kmほど流れて固まったもの。すご。
更に奥に行くと・・・

枯れた川の底が見えているような広いエリアが・・・
奥に「楽寿館」という明治以来の建物。そちらの方に歩を進めると・・・

でこぼこの岩肌と湧き水。白鷺(シラサギ)が舞っている。

あー! これ溶岩! 富士山噴火から流れてきた荒々しい末端。まさにそこから富士山の伏流水が染み出ているのだ。かつては年間通じて湧水が豊富だったそう。季節の水位変動もあるけど今はこんな風に溶岩肌が見えるときも。周りが浜っぽくも見えるせいか、この池は小浜池(こはまいけ)。楽寿園小浜池→源平川の湧水ルート。最初に訪れた菰池-白滝公園-桜川の湧水ルートと合わせて水の街、三島の大切な源流。

あ、白鷺(シラサギ)ちゃん。磯のような凸凹のある水辺にはお魚や水生昆虫などいっぱい。鳥たちのホットスポットとなっている。

この子はセキレイ。狙いをつけているのよね。

この子はマガモ。一羽は懸命に水中捕獲お仕事中・・・

水際から少し中に入ると木立の下に大きな石灯籠。


季節を感じながら子供達が走る。
地面の土の感触、落ち葉が鳴る足音・・・

のんびり歩幅と急ぐリズム。

大木の下。シニアカップルのベンチ。楽寿園、秋のよき日。
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楽寿園にはここにご紹介できないほどの逸話が・・。ご関心おありの方は下記三島市ホームページPDF他を検索ご参照ください
■参考1
1954年 小浜池(こはまがいけ)と周囲の自然林・植生を含む庭園が国の天然記念物および名勝に指定
2012年 楽寿園の地形をつくる三島溶岩流は下層部が約1万7千年前、上層部が約1万500年前にそれぞれ富士山の噴火で流出した露頭として伊豆半島ジオパークのジオサイトに指定
■参考2
1890年(明治23年) この場所に小松宮彰仁親王(1846-1903)の別邸が造営された。軍人皇族第一号で三島訪問の由来や、楽寿館の素晴らしさ、三島高等女学校との関係など (※楽寿館は現在一般公開)
1911年(明治44年) 韓国王世子、李垠の別邸となり、昌徳宮と呼ばれた。
李氏朝鮮王子。日韓併合との関係で10代で来日。後に梨本宮方子(まさこ)さまとご結婚。その後起こった悲劇や三島の学校との交流・・
1927年(昭和2年) 昌徳宮は伊豆半島出身の資産家、緒明(おあけ)圭造へ売却された。 緒明家のロシア プチャーチン軍艦や南洋航路・小笠原航路等との関係。緒明家が購入することになったきっかけなど・・・
1952年(昭和27年)圭造の子の緒明太郎から三島市へ譲渡。同年7月15日から市立公園に。菊祭り、動物園、ゾウのふじ子や遊園地の話など・・・庭園や楽寿館など含めて一般公開
三島市公式ホームページ(楽寿園)↓
https://www.city.mishima.shizuoka.jp/site/rakujyuen/17269.html
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湧水流れる源平川。かつては荒れた時期もあったが、市民運動も起こり、水辺にアクセスできる貴重で美しい流れとして保全されている。



トカゲがデッキでお休み中・・・ そうなの。水辺のお散歩は楽しい。ところどころお休みしながらね。

今も人々が行き交う宿場町の橋。脇に湧水に下りてゆく小さな階段が・・・
その先にちっちゃな祠(ほこら)。中にかわいい石像が。
当時からの道祖神なのかしらね。大切にされているのがわかる。
旅人、村人の安全、縁結び・二人の円満を願う心・・・
ありがとう。三島。
ありがとう。富士山の伏流水。
あ、富士山撮るの忘れちゃった・・・
伏流水仕込みの鰻いただくのも・・・

安藤広重の描いた五十三次–第11の宿場 三島 東海道五拾三次之内 三島 朝霧
朝霧の中の鳥居は三島大社。
街道はぼんやりシルエット。真ん中にいる旅人一行だけが鮮やか。動作がイキイキ。巡礼の姿が霧の中に消えてゆく。駕籠(かご)と馬の上の旅人は眠そうに進みゆく。夜がちょうどあけたところかしらね・・・

